叢草雑記-

徒然なる日々を。わたくしを定義することはやめた。

春愁


旅が愉快であればあるほど、その後に襲ってくる淋しさが大きくなってしまう。

このような気持ちになるのならわざわざお金をかけて旅になぞ出なければ良かったと思うほどに、日常のことごとくが物憂くなってしまうのだ。

今回は特に天候にも恵まれ、内容的にも相当充実したと思える旅だったから、とにかく淋しい、淋しい。

私にもまだこんな感情が残っていたのかと、自分でも不思議に感じてしまう。

季節が春だというのも良くないのだろう。

毎日毎日工場の中で同じ作業を繰り返していて、季節もへったくれもない日々を送る私からすれば、この季節はあまりにも眩しすぎるのだ。

こんな良い季節に、私は相変わらずガリガリガリガリ車を作っているばかりで、どんなに頑張っても日常の中に春らしさを見出すことは出来ない。

数年前前で働いていた時は、そのことが本当に嫌になってしまって、仕事をサボタージュしてまで京都まで花見に行ったこともあった。

今回はそこまでの酷さはないけれど、腱鞘炎を言い訳にして休んでやろうかぐらいには思っていて、明日から天気が崩れなければ実に危ないところだった。

いやはや。