自分が苦しい時、敵はもっと苦しいという。
苦しいこともあるだろう、腹の立つこともあるだろう、それらをぢっと堪えてゆくのが、男の修行だという。
そんなことを、頭の中では理解しているつもりでも、どこか腑に落ちぬ感情を拭い切れないことも事実である。
マ、こんな下らない職場に勤めるのも、あと4ヶ月だ。
本当は、心からの感謝と哀惜の念を抱き乍ら去りたいところだけれど、今のところはそんな気分になれない。
その事は少し寂しくもある。
私だって、ここで過ごした3年が、全く下らないものだったと思いたくはないのだから。