鹿児島から、ちまきを送ってもらった。
ここでいうちまきは、おこわを竹皮に包んだものではなく、餅米を竹皮に包んで木の灰汁で煮た鹿児島の郷土料理である。
あくまきともいう。
灰汁で煮込まれた餅米には独特の風味がついていて、そのままでは多少食べづらいから、きな粉と砂糖をたっぷりまぶして食べる。
昔は保存食として兵糧としての役割を果たしていたようだが、今は子どもの健やかな成長を願って、端午の節句あたりに食べることが多い。
初夏になると不思議と思い出して食べたくなってしまうのは、DNAに刻まれているからなのだろうか。
昔、通販の仕事でメールマガジンの担当をしていた時は、意識的に鹿児島の季節の話題と絡めて商品の紹介をするようにしていたが、そうすると県外からの反応が非常に良かった。
今では、その気持ちがよく分かる。
故郷の季節や食はいくつになっても懐かしく、忘れられないものなのだ。
これは鹿児島を少し離れてみて感じたことだから、故郷を離れてみることもそう悪くない。
淋しさにたまらなくなることもあるけれど。